育休中に国家資格取得
聞こえは素晴らしい。まさに理想的な社会人像(?)だ。
しかし、私は断言する。そんなのは無理だ。
今回は、主婦の友社 OTONA SALONEさんのコラム、『SNSではイクメンぶるけど、実際は自分のことばかり。「育休中に資格取得」して妻から見放された男の末路は』を拝読して、
育休取得中の私自身の状況から、プレパパ(これからパパになる予定の方)に伝えたい、
育児と自分時間のリアルなバランスについて触れていく。
コラムで紹介された「最悪のケース」
にわかに信じ難いが、このコラムに登場するタカシさん(仮名)は、
育休中でありながら、午前9時から夕方6時まで国家資格勉強のために外出。
夜8時以降も書斎にこもって勉強を続け、夜泣きもノイキャンでシャットアウト。
夫婦の会話はほとんど無し。
もはや育休を取得していようが、してなかろうが、変わらない。そんな状況だ。
これはまさに「男性育休はスキルアップのチャンス」の甘い罠(理想論)に陥ったケースだ。
現実的に、育児と資格勉強の両立は可能なのか?
育休中の私の感覚からすると、「できないことは無いかもしれない」だ。
しかし、育児と資格勉強の両立は非常にハードルが高い。
挑戦するにしても、以下の要素が不可欠だ。
- 相当な自己管理を自身に課す
- パートナーからの理解と協力を得る
- パートナーとのコミュニケーション減少を許容できる関係性
実際、子どもが生後3か月になる私の1日はこうだ。
リアルな育休パパの1日スケジュール(生後3か月の例)
基本的に授乳の関係で、1ターム3時間を8回繰り返して、1日が動いていくことになる。
ざっくりと1タームごとの内容をまとめた。
ターム | 時間帯 | 活動内容 |
---|---|---|
1 | 07:00~10:00 | 起床、おむつ交換・授乳、保湿、日光浴、家事、散歩(昼食の買い出し) |
2 | 10:00~13:00 | おむつ交換・授乳、あやし時間、家事(続き)、昼食 |
3 | 13:00~16:00 | おむつ交換・授乳、散歩(夕食の買い出し) |
4 | 16:00~19:00 | おむつ交換・授乳、あやし時間、仮眠、夕食の準備 |
5 | 19:00~22:00 | 沐浴、保湿、授乳、寝かしつけ、夕食 |
6 | 22:00~01:00 | フリータイム、風呂、就寝 ※起きないのでおむつ交換・授乳はスキップ |
7 | 01:00~04:00 | 起床、おむつ交換・授乳、寝かしつけ、就寝 |
8 | 04:00~07:00 | 起床、おむつ交換・授乳、寝かしつけ、就寝 |
ご覧の通り、
- 2タームは私たちの睡眠に
- 2タームは私たちの食事に
- 2タームは子どもと散歩に
- 1タームは子どもと遊ぶか仮眠に
結局、8タームある中の1タームだけが自由時間として確保できるくらいだ。
落ち着いて集中できる時間があるとすれば、夕食後からお風呂に入るまでの約1時間ほど。
この時間で、スマホやテレビの誘惑を我慢して、資格勉強に励めれば、可能性はある。
現代では相当な精神力が必要だ。
フリーday制度で捻出できる「年間600時間」の勉強時間
ちなみに、私たち夫婦は週に1日ずつ、フリーdayを設けている。
平日1日だけは、1人ずつ好きに外食できる日を作っており、
授乳1回をパートナーに任せてスキップ可能とし、約5時間の自由時間が得られる。
例えば、単純計算で、この時間と毎日のフリータイム(仮に1日1時間換算)をすべて資格勉強に充てれば、
年間で約600時間程度の学習時間が確保できる計算にはなる。
繰り返すが、
できないことは無いかもしれない。
が、私には無理だ。
私が実践する育休中の自分時間の使い方
とはいえ、会社員人生で唯一、公然と会社に行かなくてよい育休という機会に、
いろいろとやってみたいという気持ちはあるだろう。
以下がこれまでに私が実際に取り組んだ内容だ。
あれもこれもと手を付けられる余裕は無い。月ごとに優先順位を決めて実行している。
- 【0か月】特に無し ※慣れない育児とパートナーのケアに集中
- 【1か月】ブログ開設
- 【2か月】自給自足・節約生活(小ネギ栽培、バニラアイス作り)、SNS開設(X)
- 【3か月】転職エージェントに登録(キャリアの棚卸)
今後挑戦したいテーマとしては、以下を自分でメモしている。かという私も資格取得は選択肢に入っている。
- 子育て本を読む
- 栄養士資格の勉強
- 簿記資格の勉強
- ASMR動画制作
- AIで音楽制作
- 事業計画書作成
1年間の最終的な目標は、育休期間中に特定の分野での事業計画書を作成し、パートナーに評価してもらうことだ。
限られた時間内で、優先順位をつけながら、できる限り挑戦するつもりだ。
但し、何よりも育児を最優先することが大前提だ。
子どもが起きているのなら、自分のことをするよりも、少しでもコミュニケーションを重ねていきたい。
育児休業の本当の意義を考える
「男性育休はスキルアップのチャンス」というキラーワードを鵜吞みにしてはいけない。
育児に携わる中で、心身ともに成長できるチャンスではあると思うが、
育休は、「スキルアップ」のための期間ではない。
優先順位を見失わないように。
育児のための休業だ。
もし資格取得など、自己成長に挑戦したい場合は、以下を意識することが大切だ。
- 優先順位を明確に(育児のための育児休業)
- パートナーとのコミュニケーションを大切に(協力体制を築けないと育児はできない)
- 無理のないタスク量とスケジュール管理(少しずつ着実に)
最後に
プレパパ(これからパパになる予定の方)へ伝えたい。
育休中に自分時間はそんなに無い。
育休中の資格勉強を否定するわけではない。
しかし、紹介したコラムのタカシさんのように、優先順位を見失わないようにしたい。
一番に育児を据えて、その次に何を持ってくるのか。
会社で働いている同僚と遜色ないくらい、育休期間を充実させたいものだ。
育休が私たちの成長の期間となりますように。
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