逆子という意思について|37週、外回転術の記録

 

彼女は逆子だった。

一度は直ったのだが、また逆子に戻ったことで、パートナーと私は選択に迫られた。

外回転術を受けるか否か。

医師から外回転術を提案される

外回転術(がいかいてんじゅつ)を受ける場合、

37週で手術を受け、逆子が直れば予定日まで妊娠を継続。無痛分娩が可能となる。

もし手術で逆子が直らなければ、その場で帝王切開だ。逆子のまま、予定日を待つことは叶わない。

一方、外回転術を受けない場合も、37週で帝王切開となる。

 

つまり、いずれにしろ最速で37週での出産となり、外回転術を受ける方が、無痛分娩で出産できる可能性があるという、とても分かりやすい構図だ。


外回転術とは?手術の内容:お腹の上から手で回す?

だが、パートナーと私は外回転術を受けることに不安を感じていた。

それもそう。

 

外回転術とは、お腹の上から、手で無理やり赤ちゃんを回すという、近代的な手術とは思えない、なにやら古典的な方法だったからである。

 

私たちが感じていた不安は3つ。

 

・お医者さんの感覚に任せる、昔ながらの伝統芸のようなやり方で大丈夫なのか?実は悪しき慣習のようなやり方が残っているだけなのではないか?

・無理やり回すことで、赤ちゃんに大きな負担がかかるのではないか?お腹の上から圧迫されることによって何か事故(身体的な障害)が起きてしまうのではないか?

・回している最中に、へその尾が首に絡まったりして大事に至ってしまわないのか?


決め手になったのは病院側の様子

病院側の説明では、

 

・外回転術の実績が多くある病院であること(通常成功率50%に対し、ここでは70〜80%) ※ここでの成功とは、赤ちゃんにトラブルが起きるかどうかの確率ではなく、逆子が直るかどうかの確率

・常に赤ちゃんの心拍をモニタリングし、何か異変があれば即座に帝王切開できる万全の体制であること

・そして、なにより外回転術を受けることが当たり前のような雰囲気だったこと。医師からの説明を受け、看護師・助産師にそれとなくヒアリングしていったところ、すべてのスタッフが外回転術を特別にリスクの高いものとは捉えていない様子だったこと

 

これらのことから、無痛分娩の可能性がまだある「外回転術を受ける」という選択をした。


手術を受けるパートナーのケア

パートナーは外回転術の手術動画を見ることをためらっていた。どんな恐ろしいことが行われているのか。だが、私の方で事前に確認し、そこまでショッキングな内容ではなく、むしろ動画を見た方が、こんなものかと安心すると思い、パートナーにも事前に見てもらった。結果的に、少しは不安を払拭できたようだ。

その時に見せた外回転術の動画

https://youtu.be/SBXH40g1TXc?si=QabIiepmEkz3gVL5


彼女は動かず、帝王切開へ

そして手術当日。

結果としては、外回転術で彼女は動かなかった。お尻が骨盤にすっぽりはまっていたのか、3回チャレンジしたが動かすことはできなかったのだ。

予定通り、その場で帝王切開となった。成功率70〜80%の中の、20〜30%の確率に私たちは入ったようだ。

 

待機部屋で待っていた私は、1時間を超えても誰からも音沙汰が無い状況に、病院側の邪魔をしないよう焦らず狼狽えず、そして生後0ヶ月で検索したYoutubeを見始めた。


早く会いに出てきてくれたと

その日、パートナーと私はこう話した。

「彼女が逆子のままでいることも、外回転術で動かなかったことも、彼女の意思だったんだ。」

そのポジションが彼女にとって居心地が良かったのだろう、と。 そう思うと、すべてが自然な選択に思えてきた。

予定日より2週間も早く始まった彼女との生活。今はそれがとても嬉しく、何より彼女が早く会いに出てきてくれたことに感謝したい、と心から思っている。


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